広隆寺には「宝冠弥勒」「宝髻弥勒」の2体の弥勒菩薩半跏像(国宝)がある。この絵画の宝冠弥勒像は日本古代の仏像としては他に例のないアカマツ材で、朝鮮半島の新羅風の影響が大。『日本書紀』に推古11年、秦河勝が聖徳太子から仏像を賜った事が記されているが『書紀』には「尊仏像」とあるのみで「弥勒」とは記されておらず、この「尊仏像」がこの弥勒菩薩像のいずれかに当たるかの確証はない。後の記録『広隆寺来由記』に推古天皇24年、坐高二尺の金銅救世観音像が新羅から当寺に納められたという記録がある。また『書紀』は、推古天皇31年新羅と任那の使いが来日し、将来した仏像を葛野秦寺に安置という記事があり、これらの仏像が上記2体の木造弥勒菩薩半跏像のいずれかに該当とする説がある。 |