恵光童子像 / 高野山真言宗総本山金剛峯寺蔵
恵光童子像は高野山真言宗総本山金剛峯寺の本尊で、木造不動明王坐像に随伴する八体の従者の木造八大童子立像のうちの一つ。全体を2材以上で制作する寄木造であり檜で作られており、眼には水晶(玉眼)がはめ込まれている。恵みの光を持って一切を照らしだす、というこの恵光童子は快慶の作といわれている。恵光童子の鋭い視線は瞳の縁を赤く縁取ることによって、童子らしい面立ちの中に不動明王の使者としての威厳を現している。まなじりを決して正面を見据える表情からは、全てのものに徳を教え諭そうという固い決意が伺える。